チャプター 1
予防歯科は「通い続けてもらえるか」で決まる
治療と違い、予防歯科は一度の来院で完結しません。3ヶ月、半年という間隔で通い続けてもらえて初めて成果になります。医院の経営という面でも、定期来院してくださる患者さんがどれだけいるかが土台になります。
ところが「通い続けてもらえているか」を把握するのが、いちばん難しい。来院履歴は紙のカルテとレセコンに分かれ、次に来るはずの人を横断して見る手段がありませんでした。
レセコンは会計と保険請求のための仕組みなので、「そろそろ来るはずの人」という切り口では設計されていません。日々の業務は問題なく回るのに、患者さんとの関係が続いているかどうかだけが見えない。予防歯科に力を入れるほど、この空白が効いてきます。
チャプター 2
気づくのが、いつも手遅れになってから
しばらく来ていない患者さんの存在に気づくのは、たいてい別の用件で記録を見返したときでした。その時点では最後の来院から半年以上経っていることも珍しくありません。
声をかけるタイミングを逃していただけで、通う意思が無くなったわけではない方も多い。仕組みが無いために取りこぼしている、という状態でした。
しかも、こうした取りこぼしは数字に表れません。来なくなった患者さんは静かにいなくなるだけで、誰かが困ったと声を上げるわけではないからです。日々の忙しさの中では、問題として認識されないまま積み上がっていきます。
チャプター 3
受付業務の合間に触れる設計にする
患者ごとの来院履歴と次回予定を一元管理するWebアプリを開発しました。設計で重視したのは、入力の負担を増やさないことです。医療現場では、記録のための時間はほとんど取れません。
入力項目を絞り、受付業務の合間に数十秒で触れる形にしています。管理画面では、間隔が空いている患者さんが一覧で確認できます。
機能を足すほど良いものになる、とは考えていません。使う人が受付のスタッフで、触れるのが患者さんの合間の数十秒だと分かっていれば、その条件で成立する範囲まで削るのが正解です。
医療現場では、既存のレセコンや予約システムを置き換えるのは現実的ではありません。動いているものを止めるリスクのほうが大きいからです。今回も置き換えではなく、見えていなかった部分だけを補う形にしています。
定期来院の状況が可視化され、声かけを担当者の記憶に頼らず行える形になりました。予防歯科に力を入れるほど効いてくる部分なので、ここが見える状態になったこと自体が土台になります。
- 課題
- 予防歯科は、患者さんに定期的に通い続けてもらえるかどうかが成果を左右します。ところが来院履歴は紙のカルテとレセコンに分散し、「誰がいつ来るはずだったか」を追える人がいませんでした。しばらく来ていない患者さんに気づくのは、たいてい手遅れになってからでした。
- 打ち手
- 患者ごとの来院履歴と次回予定を一元管理するWebアプリを開発しました。スタッフが受付業務の合間に触ることを前提に、入力項目を絞り、管理画面で状況を一覧できるようにしています。
- その後
- 定期来院の状況が可視化され、間隔が空いている患者さんへの声かけを、担当者の記憶に頼らず行える形になりました。


